血便対応外来

💉 下血(血便)についての説明

「下血(げけつ)」とは、便に血が混じったり、血そのものが肛門から出る状態をいいます。

血の色や量、出方によって、出血している場所や原因の見当をつけることができます。

・ 鮮やかな赤い血:肛門や直腸など、出口に近い場所からの出血

・暗赤色や黒っぽい便(タール便):胃や小腸など、上部消化管からの出血

少量でも繰り返す場合や、出血量が多い場合は、早めの受診が必要です。

初診の際には可能な限り問診と診察で対応し、必要に応じて腹部エコー・腹部レントゲン・内視鏡検査・採血尿検査などをお勧めして対応します。

 

⚡ 急性の下血(急に起こった出血)

突然の下血は、出血性の病気や炎症、潰瘍、血管の異常などが原因となることがあります。 場合によっては命に関わることもあります。

主な原因となる病気

消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍) 急性出血性大腸炎(細菌性腸炎、腸管出血性大腸菌感染など) 大腸憩室出血 大腸ポリープや大腸がんの出血 直腸ポリープ 痔核(いぼ痔)・裂肛(きれ痔) メッケル憩室出血(若年者に多い) 血管奇形(angiodysplasia) 虚血性腸炎(特に高齢者)

 

👉 注意: 出血量が多い、ふらつき・冷や汗・顔面蒼白などがある場合は、 緊急受診が必要です(内視鏡や輸血が必要となる場合があり、救急車を呼ぶことをお勧めします。)。

 

 

 

📆 慢性的な下血(繰り返す・続く出血)

長期間にわたり血便が続く場合は、炎症性・腫瘍性の病気などが考えられます。 初期のがんや慢性炎症でも少量の出血を繰り返すことがあります。

主な原因となる病気

痔核(いぼ痔)・裂肛(きれ痔) 大腸ポリープ 大腸がん・直腸がん 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病) 大腸憩室症(繰り返す出血) 放射線性腸炎(放射線治療後) 薬剤性出血(抗凝固薬・抗血小板薬によるもの) 血管異常(血管拡張症)

 

💬 受診の目安

次のような場合は、早めに医療機関を受診してください。

真っ赤な血や黒い便が出る

出血が繰り返す、止まらない

発熱、下痢、腹痛を伴う

貧血症状(立ちくらみ、息切れ、疲れやすい)がある

家族に大腸がんやポリープの既往がある