物忘れ外来

認知症とは?

アルツハイマー型、脳血管型、レビー小体型、前頭側頭葉変性症、アルコール関連などの様々な病型がありますが、前2者で85%を占めます。慢性的に進行し、認知機能が低下していき、様々な周辺症状により生活に支障をきたしていく病気です。

気づきにくく、ご本人の病識がないことも特徴です。
すこしでおかしいなあと感じたらまずはご相談ください。必要な検査(認知機能検査、血液検査、頭部MRI検査)や必要に応じて専門医療機関への紹介についてご案内します。

受診する時のご家族の心構え
診断には、普段のご本人の様子を知っているご家族の話がとても役立ちます。付き添っていただくご家族には、来院時に様々な質問をさせていただきます。紙に書いて整理してお持ちいただけると助かります。

■ご本人の家族(兄弟・子供・親)の生年月日、出身地
■もの忘れは、日常生活に支障をきたすほどのものか
■最初の異変は、いつとはなしに出てきたのか、突然に出てきたのか
■この半年の間に症状は進行したか
■本人のこれまでの病気について

これらは、認知症の原因や進行を診断するときに参考になります。

ACP(Advance Care Planning)・人生会議とは?

アドバンスケアプランニングということばをご存知ですか?

超高齢化社会を迎えた我が国では2025年の高齢化率(65歳以上の人口割合)が30%、2050年には37.7%になると推計されています。
ちなみに、横須賀市の高齢化率は2017年度で30.4%、75歳以上の人口割合が14.8%と国や県の高齢化率の8年先を進んでいるのが現状です。

高齢化率の上昇に伴って、介護を要する高齢者数も割合相応に増加ています。
超高齢化社会ではアルツハイマー型認知症を始めとした認知症に約半分の方が罹患しますが、人生の最期を尊厳ある死をもって迎えるためには自分の希望をあらかじめ家族や医療従事者などと十分に話し合っておくことが重要です。

ACPは、将来、意思決定する能力を失った場合に備えた、自らによるあらゆる計画を指します。

計画の中には、自らの価値観や心配事、終末期を迎えた際にどのようなケアを望むのか?病気を抱えている場合、どのような予後があるのか?食べられなくなったらどうしてほしいと考えているのか?などが含まれます。

2018年ACPの愛称が「人生会議」に決まりました。人生会議では尊厳ある生と死について常に考えます。

皆様の人生会議をご家族も含めて行っていくことが重要だと考えています。主役は常に医療従事者や家族ではなく、本人です。遠慮なさらずにご自分の希望を伝えていただければと思います。

認知症専門外来ではありませんが、総合内科の立場でご家族や皆様の物忘れに伴う心配、生活の不安に寄り添いたいと考えています。反射神経や認知機能は、身体能力や運動機能と共に年齢を重ねるごとに低下することは否めません。しかしながら、良い生活習慣(会話、運動、食事、睡眠、排便などの習慣)はその衰えを緩やかにすることが出来ると考えています。

 


 

認知症の確実な予防は困難です。しかし、進行を遅らせることに有効な手段は知られています。

早めに対処することが重要です。

 

認知症は、特殊な例を除き、脳の生活習慣病と考えられます。アルツハイマー型や脳血管型、アルコール関連の認知症には発症の20~30年前からの生活習慣が大きく影響することがわかってきました。

MCIスクリーニング検査プラス(アルツハイマー型認知症のリスクを調べる血液検査):22000円:50歳以上の方にお勧め。結果がお手元に届くまで3週間程度かかります。

MCI(軽度認知障害)とは何?

「MCI = 軽度認知障害」は、認知症を発症する一歩手前の状態を指しています。最近の研究ではこの「MCI = 軽度認知障害」の段階で気づき適切な予防をすることで、その後の進行を抑える可能性があるとわかってきました。

MCIスクリーニング検査プラスは、脳内に原因となる物質が蓄積されやすいかどうかを調べる検査です。この検査を受けることで、あなたが将来MCIになりやすいか(または既にMCIの可能性があるかどうか)がわかります。検査結果が良好な方も、そうではない方も、状況に合わせて生活習慣を見直すきっかけとすることで、認知症になってしまうリスクをあなた自身がコントロールできるのです。